四天宝寺

□真相
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ダッシュで向かった先は、千歳の部屋だった。

千歳が住んでいる古いアパートの合鍵は持っている。



(千歳、千歳)



ただただ、必死に、
千歳のことだけを考えて。




部屋の鍵を開け、飛び込むように部屋に入った。



「うわっ、蔵、どぎゃんした!?」


なんと部屋に千歳がいた。

なんとなく、朝散歩に行ったら、
学校に行った気分になったという。
要するに、学校をさぼっていた。

「千歳、もう、俺わからん!!!」


千歳に抱きついて、あったこと、思ったことすべてを話した。

話している途中で涙があふれた。

千歳はうんうんと頷きながら、話を聞いてくれた。


「でもね、蔵。
人って、なにがなんというわけでもなく、
陰口してしまうもんばい。
蔵が受けたショックは大きかよ。
辛かね。
でも当の本人たちはなんでもなく、陰口しとるんよ。
だからね、すぐ終わるよ。
蔵に対する陰口はすぐになくなるよ。
「人の噂も75日」って、知っとる?
他人のことなんか、どうでも良くなるもんばい。」

そして千歳は俺の頭をなで始めた。

「蔵に傷をつけるやつがいたとしたら、
俺がそいつに傷を倍にしてつけちゃる。
でもこれはね、蔵が頑張らないといけないこつたい。
さらりと、「聞こえてるからやめて」ち言ったらよかよ。
重い雰囲気にせずにね。
やっぱり辛かったら言いなっせ。
俺は、ずっと蔵の隣にいちゃるよ。」


千歳に会いに来てよかった。

そのあと俺は、千歳の腕の中で寝てしまった。



今日は金曜日。

大丈夫、土日の間に気持ちを落ち着かせれば。

大丈夫、隣に千歳がいてくれるから。




fin


白石って結構傷つくと思います。
で、これが私の6月24日の真相。
ちとくら部分少なくてすみません。

110624
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