四天宝寺

□sogno
1ページ/1ページ

夢を見た。




目覚めるとソファに座っていて、


膝には千歳が跪いている。




まるで神に祈るように、
千歳は俺の瞳の底まで見つめていて、その眼差しは愛に満ちていた。


居心地が良くなるその瞳を見つめるも、
自然と脳に焼き付いている
千歳を求めることは罪という掟が俺を止めて、
俺は千歳を見下す事しかできない。




千歳は静かに、優しく俺に語りかける。


「しらいし、白石。…愛してほしか。」



ただ約束された眼差しだけを求めて、
俺の足元に跪いていた。






何も言えず、黙っていた。



掟に従うも、千歳を愛することを止められない俺は誘惑の欲望と戦っていた。

…死んでしまいそうなを苦しさを感じていたが

なんとか打ち勝ち、千歳に言う。




「…アカン。千歳、それはアカンのや。」


口に出してみると、息が止まりそうなくらい、苦しくなった。




それなのに。







千歳が膝を立て、額にキスをした瞬間



心が、俺と掟を裏切った。







目を閉じて、千歳に手を差し出す。








そっと。








そっと、触れようとして。















でも、それは夢で、













その美しい夢は消えてしまった。






fin


日記で
イタリア歌曲を原案にちとくら書きたいと言って、実践してみました。

トスティ作曲、「夢」という曲です。
良い歌ですのでぜひ聞いてみてください。
しかし、儚いちとくらもいいなぁ。 ←


110511

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ