四天宝寺
□千歳に誕生日を伝え隊計画
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「蔵り〜ん!誕生日おめっと!」
「お〜、白石、お前また年とったんやってな!」
「ユウジ・・・年とったはないやろ・・・」
今日は14日。
俺は、15歳の誕生日を迎えた。
「おっはよ〜さーん!おお、白石、誕生日おめでとさん。」
謙也が入ってくる。
いつもの朝練の風景だ。
「小春〜、早よ着替えてネット張りに行こうや〜。」
「いいわよユウ君っ。今日もやる気まんまんね!」
「小春にほめられるとさらに100倍やる気上がるでぇ〜。」
カップルのようなあの二人を見ると、今日は心が痛む。
昨日、結局逃げてしまった。
「おはよーございます。」
「おう光!俺らもさっさとネット張りに行くで!」
「謙也さん朝からうっさいっすわ〜。」
ついでに、あの二人を見ても心が痛む。
あいつら絶対両思いやもん。
さっさと付き合えや、邪魔はせえへん。
「あ、千歳君、おはよぅさんっ。
どないしたん、その花。男前やわ〜。」
「小春っ!浮気かっ!」
千歳?
「白石、おはよ。」
部室の扉の前にいたのは---花束を持った千歳。
「誕生日、おめでとさん。
話あるけん、ちょっと来て。」
「え、」
半ば強引に手をひかれて部室の外に出される。
「白石、俺の話ば、ちゃんと聞いて。」
「・・・。」
「逃がさんからね。」
見上げた千歳の顔が少し怖かった。
怒ってる?
「あのね、白石、俺の好きなヤツはね、」
とっさに耳をふさごうとしたらその手を彼の両手で押さえられた。
「白石なんよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー。」
白石って誰やっけ。
四天宝寺中学校いっぱいいてはるやろ。
っちゅうか、全国的にも多い名字や、白石さん。
ん?
俺も白石さんやない?
「どの白石さん?」
「ハァ!?お前さんばい!お前さんしか大阪には白石おらなか!!」
「・・・ちゅうことは、千歳、俺んこと好きなん?」
「好いとうよ!昨日嬉しかったばってん、白石俺の話聞かんし、
勝手に傷つかれるの嫌やったけん。」
ああ、そうですか。
そういうことですか。
あかん・・・。
どないしよう。
何も考えられへんけど、嬉しいんやと思う。
「でね、白石。これ誕生日プレゼント。」
八重桜かと思われる花束を渡される。
「アパートに満開でね、管理人さんに聞いたら少し採っても良いちいわれたけん。
4月の誕生花は桜ばってん、もう桜はなかよ。
八重桜も立派な桜、やろ?」
「うん…!千歳・・・あかん、めっちゃうれしい!!!!んんーっ、エクスタシー!」
「なんねそれ。」
千歳を見ると困ったように笑っていた。
その日の部活は俺がくっつくようにずっと千歳のそばにいた。
ダブルスも組んだ。
めっちゃ幸せやった。
「そういえば、なんで白石の誕生日知ってたん?」
謙也と千歳と一緒に昼ごはんを食べていたら、謙也がそういいだした。
「クラスの女子が騒いでたとよ。」
あー、と謙也と二人で納得する。
俺の努力も大した意味をもたなかったし、
千歳に誕生日を伝え隊、任務失敗やな。
「白石、こん時間は気をつけた方がいいんやなかと?」
告白の嵐ばい、
と千歳が苦笑する。
「ばってん、今日一番最初に告白して、OKとったんは俺やけどね。」
「はは、せやなぁ。」
「お前ら、なんや恥ずかしいなぁ。」
千歳は毎日ひとりで昼飯を食べると言うのでこれから毎日一緒に昼飯を食べることになった。
もともと一緒に食べていた謙也とも一緒に。
「でも今こうやっておれるんは、謙也のおかげやな。感謝するで。
自分もがんばり。」
「そうたいね。次は謙也ばい。」
「え、なんのことだか・・・」
「あー、白石君おった!ちょお来てくれる?」
早速聞こえた女子の声に3人でニヤつく。
「ちょおまってな。」
謙也、千歳にウィンクをする。
一足遅かったと、言いに行くと。
fin
大遅刻してすみませんでしたorz
企画始めたのが4月10日で
サボるのが13日と14日で、
約半月後に更新ってどうよ?
こんな小説でもない小説を読んでくださり、ありがとうございました!
白石、誕生日おめでとう!
大好きだよ!(千歳が)