忍たま短編集

□赤
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夏休みの明けたばかり、まだ残暑の強い時期というのに学園内は騒がしかった。

そんな中、部屋に向かってバタバタと走ってくる音が聞こえる。

「団蔵先輩!
生物委員会が予想どうり罠にはまって虫を探しに行きました!
あとは体育委員会と作法委員会と保健委員会だけです!!実質二つです。」

「よし、佐吉達に作法委員会を相手にしてもらって…
俺と苗字は体育委員会を潰しにいこう
安藤先生の部屋に行くぞ。」

「分かりました!!」

ゼィゼィと肩を大きく上下させながらも武器を持って団蔵についていく。

相手は体育委員会、早く行かないと準備が整い終わってしまうからである。
そうしたら二人だけでは勝ち目はほとんど無くなる。

「一応昨日のうちに武器になりそうなものは分解したり、隠しておいたけど…
そこらへんはどうなってるんだ?」

走りながらの会話、自然と途切れ途切れになる。

「隠しておいたのを探すのは諦めたようですけど…新しい武器を用具委員会に頼んでいる様な姿を少し見ました。」

「そうか…」

団蔵がなにやら考え事をしている間に安藤先生の部屋につくと、そこにはすでに体育委員会が待ち構えていた。

「き、金吾!もう武器の調達が済んだのか!?」

団蔵がごくりと唾を呑む。
もし答えが肯定だったら、今すぐこの場を去らなければならないからだ。
足のかかとに土が溜まる。

「フッ…我々を誰だと思っている。体育委員会だぞ?
武器だなんて使わないのだ!!

「団蔵先輩、作法委員会を倒しに行くの手伝いに行ってきていいですか?」

まるでゴキブリを見るような目で先輩二人を見つめる

「な、まて苗字!せっかくの雰囲気が台無しじゃないか!
なかなかの名シーンが出来てたのに…」

「先輩方の遊びに巻き込まないでください!
だから下級生から揃いも揃って「心は14歳の6年」とか言われるんですよ!!いい加減自覚してください、その厨二病!!
ちなみにいつもそう言われて喜んでますけど若く見られているんじゃなくてバカにされているんですよ!?」

怒りの言葉が次々と団蔵(&金吾)に突き刺さる。
きっと揃いも揃ってのメンバーは六年は組のことであろう。
体育委員会の下級生も冷や汗をかいて見ている。
助けないところを見ると少し困ってはいたようだ。

「ほら、団蔵先輩。メソメソ泣いてないで作法委員会潰しに行きましょう。
ついてこないとおいていきますよ?」

「うぇっごめ、ごめん。待って待って…」

上級生とは思えない姿には相変わらず溜息しか出ないが、別段困っているわけではない。

「がんばれよー団蔵ー!」

「皆本先輩、予算どうするんですか?」

「あ」

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