忍たま短編集

□馬と鹿
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「勘ちゃーん!!」

通学路を歩いていると君が後ろからやってきた。

「あれ、名前自転車通学だっけ?」

「バカ。
ケータイで時間見てみなさいよ」

言われた通りケータイを開く。
君の待ち受け画像の隅にあるデジタル時計の数字を読む。
8時40分かぁ
8×5で40になるね。

「って思い切り遅刻じゃんか!!名前乗せて!!」

名前の後ろに座って連れて行ってもらう。
ちなみに抱きついたら肘でアタックされた。

「勘ちゃんはのんびりしすぎ!
もう少し緊張感が必要!!」

「ごめんごめん名前」

自転車で学校まで走ったけれどやっぱり間に合わなかったし、怒られた。


そんな今日の事を同じクラスの兵助に話した。

「勘ちゃん…」
「エヘヘ」
「エヘヘじゃないだろ。
そんな事してると別れ話出てくるぞ?」

兵助にパシパシとノートで叩かれる。

ちなみに俺と兵助の席は前後になっているから、反撃には難がない。

「くらえ!水平チョップ勘ちゃんスペシャル!!」

「ぐはっ!…い、いてぇ…」

ハハハと高笑いしてると名前からのデリバリーが来た。

「何してるんだか…兵助大丈夫?」

「ん〜…?
苗字、何を持ってるんだ?」

麗しい彼女の手には青い布地に包まれている箱があった。

「これは勘ちゃんのだよ。勘ちゃんの今日のお弁当」

「はぁ!?
何で勘ちゃんの弁当を苗字が持ってるんだ?」

名前が苦笑いしてるので説明してやろうと思った

「僕って一人暮らしだからさー。
でも料理好きじゃなくて、
名前にお弁当作って貰ってるんだぁ」

兵助は有り得ないという表情をして、真っ白になっていった。

「まじかよ…
っていうか友達なのに何で教えてくれないんだよ!!」

教えるものじゃないだろ。
密かに突っ込むと名前は自分の教室に戻っていった。

こういうとバカップルみたいだけどさ、
名前ってめちゃくちゃ可愛いと思うんだけどな〜。

「はぁ…勘ちゃん羨ましいなぁ。
どうやってあんな彼女見つけたんだよ」

「ん?フッフッフ…
良い彼女とは見つけるものではない、作るものなのだ!!」

「うわぁ変態チックなS発言ありがとう」

うわぁ兵助がひどぉい。
お互いにナジり合ってると授業開始のチャイムが鳴る。
仕方ない、中断だな。




帰りのHRが終わると名前が僕の教室に来た。

「勘ちゃん今日部活ある?無かったら一緒に帰ろ」

「あ、今日社会の宿題忘れちゃって…、
やってから帰れって言われたんだ」

う、兵助が馬鹿だなぁという視線を送ってる!

「じゃあ一緒に宿題やる」

流石僕の彼女。
ちなみに抱きつこうとしたらアッパーを食らった。



「ねーねー名前ーここー」

「勘ちゃん…三問に一問も聞くのやめて…」

ため息つきながらも、しっかり教えてくれる。
教え方は決して上手な訳じゃないけど、丁寧だとは思う。

「ありがと〜名前」

そう言うと嬉しそうに笑ってくれる。
可愛い可愛い僕の彼女。
僕は君より大切なモノなんか無いよ。

「どしたの勘ちゃん?」

「ん〜ん、何でもないよ」

「ちょっと怪しい」

「怪しくなんか無いって!!」

そんな会話をしてると空が青から赤に変わっていった。

空を見てたら名前も空を見始めた。
名前の黒い瞳に赤みがかかって、
あぁ、綺麗だなぁ、
なんて思った。

「勘ちゃん、私と出逢ってくれてありがとうね」

そんな事言われたから、
名前の頬をなぞって言う。

「目、瞑ってて?」

可愛い可愛い僕の彼女。
僕は君で頭が一杯なんだよ。
だから、だからまだ、甘えさせて?

――――――――――――――――――――――――――――
勘ちゃんの夢小説でした。
勘ちゃんと付き合ったらバカップルになりそうだなぁと。
三郎が分かりやすくなった感じかな。
あと溺愛しそうだなぁとも。

ちなみに気づいている人が多いでしょうが、タイトルは「馬鹿」という意味です。
バカップルのバカです。
短かったですがありがとうございました!!

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