nobel
□寒がりの詐欺師
1ページ/2ページ
「あーっクソさみぃ…」
こんなこと呟いたところで
1月のこの寒さはどうすることも出来ず
俺は鼻をすすった
ちらりと誰もいない隣の席をみる
あの野郎…
部活引退してから
まともに教室にいる姿をみない
ふと教室内を見渡す
そこで、
クラスの奴らが次々と教室を出ていってることに気づいた
「なぁ、次ってなんの授業だっけ?」
通りすがった男子をひきとめて聞く
「体育〜。お前も早くしねーと怒られんぞ」
「おぅ。さんきゅな」
軽く礼をいってため息をつく…
言っとくが、いまは真冬だ。
…体操服+ジャージで
どうこうできる生ぬるい寒さじゃない。
行きたくねぇなー…
サボりてぇなー…
…が、体育教師は鬼のように怖い
それと、気にかかるのは
屋上かどっかでサボってるであろう
チョロ毛の出席日数…………。
「………ちっ」
寒いのは嫌だし
あんなチョロ毛のために動くのは釈だが
行くことにする
俺のロッカーからは自分の分、
そして仁王のロッカーからは仁王の分
体育セットを取り出して
俺は教室をでた