御読ミ物
□KImoNo
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着物というのは日本の象徴である。
俺はそう思う。
「和也、こっちへ来てくれないか。」
うちには沢山の召使がいた。
その中に、一際俺の心を惹く者があった。
―和也だ。
細く綺麗な体、
白く光る肌、
潤いのある唇、
クリっとした瞳。
その全てが、俺を魅了した。
「旦那さま。こんなに遅くまで起きていらっしゃると、大旦那様が心配されましょうに」
和也はそういいながらも、足音を忍ばせながら俺のそばに寄った。
和也が引いてくれた布団に座り、
布団のそばに和也が跪いた。
「・・・灯りを消せば問題なかろう。」
俺の一言で、和也は枕元で揺らめいていた蝋燭の灯りをフッと吹き消した。
その時とがった唇は
明らかに俺の理性までも飛ばそうとしていた。