御読ミ物
□君しか見えない
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S side
「なんでもないってぇ〜」
なんて言ってるけど・・・
雅紀絶対おかしい。
机にだらんて上半身のっけっちゃってさ、
ぼーっとリーダーと和夫妻の方を見てる。
俺が顔近づけても、
「なんもないって、ね？」
だって。
いつもなら
自分から顔近づけてきて
俺にキスするくせに・・・。
俺は潤の座る横にどかっと腰を下ろした。
「なんだよ、むすっとした顔して。」
潤くんはもう撮影が終わったみたいで、
アンケートに答えている。
「んでもねーよ・・・。」
俺はどんだけ雅紀が好きなんだよ・・。
雅紀に頼られていない、そんな気がしてならなかった。