バトスピの本

□双子ちゃんのお食事
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「お前ら、ほんとよく食うな〜」

デッキの調整を一旦中止して、机に頬杖をつきながらダンは横でバクバクと大量の夕食を食べるアンとファンを見ながら言った。

今日、ダンをコアブリットに乗せるというクラッキーの約束で一品おかずが増えて、2人はいつもよりご機嫌だ。
満面の笑顔で夕食を平らげていく。

そんな2人に、ダンは苦笑を浮かべながらも、優しい眼差しを向けた。


「ダンも何か食べる?そろそろお腹空いたでしょ」

横からまゐはそう言って、紅茶を淹れたカップをダンに差し出す。
ダンは「ありがとう」とお礼を言って、カップを受け取った。


「そうだな。でも、今は小腹が空いた程度だから、少しでいいよ。デッキの調整も済ませたいし」
「ほんと相変わらずバトル優先なんだから。ちゃんと食べないと、考える力がなくなっちゃうわよ」
「わかってる」
「どーだか」

まゐは半ば呆れたようにそう言って、ため息を吐いた。
事実だと自覚しているのでダンは苦笑して誤魔化すしかない。

だが、まゐもそれがダンであることはちゃんとわかっている。



「ダン、おなかすいたの?」
「すいたの?」

アンとファンは食べるのを止めて、ダンに聞いた。
こてんと首を傾げて、アンのくるんとした目とファンの細目がダンを見つめる。


「え?いや、少しだけだから」

突然聞かれて、少しきょとりとした後、ダンは微笑んで返す。
2人は「ふ〜ん」と声を揃え、しばらく何か考えるように顔を見合わせた。


そして、アンはお皿に山盛りに乗っているバターロールパンを1つ取って、「はい!」とダンに差し出した。
ダンはまたきょとんと、目を丸くさせた。


「俺に?」
「うんっ、あげる!」

にぱっと可愛らしい笑顔でアンはパンをダンに近づける。
ファンの方を見れば、ファンもほんわりとした笑顔で「あげる」と言った。

その2人の微笑ましい行動に、まゐはクスリと笑った。


「ダンに食べてほしいみたいね」
「え?」
「うん!ダン、食べてーっ」
「食べて〜っ」





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