GANTZinCHIBA

□ある引っ越しの昼下がり
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5月22日、火曜

俺はケータイの時計を見る。

7時18分

ちょうどいい時間帯だ。

初めてこの地を訪れる俺にとって、見るものは全て初めて見るものなワケだ。

即ち!!
この時間帯に同乗している周りの女子高生達も初めて見る輩なワケだ。

その女子高生の着ている制服は俺が転入するはずの高校の制服。
ミニスカだ。

周りの女子はみんなミニスカ。

正に天国としか言い様がない!

「〜〜明賀谷(アガヤ)〜〜〜明賀谷〜〜〜」

アナウンスが流れて電車が止まった。

俺は窓の外をのぞく。
そこには沢山の女子高生、否、天使達。

すぐにこの車両もボインのミニスカ美少女達に埋め尽くされるだろうと思った俺は、その両脇の大荷物を自分の方へ寄せた。

これによって俺の両脇が空く。
彼女らの座る席を確保したのだ。

ずかっ

刹那、俺の右側に誰かが座った気配がした。

俺「………ん?」


見るとそこには1人の小柄なメガネの、女子高生達とペアの制服を着た男子がいた。

本を読んでいる。
何事もないかのように……………

すると俺の視線に気付いた野郎は俺の方を見た。

鋭い目付き。
まるで睨んでいるような。
なんだか無性に腹がたつ。

すっ

今度は左側に誰かが座った。

「どこの高校?」


俺はその問いかけに振り向く。

そこにいたのは紛れもなく女子!

「……ねぇ、どこの高校?」

再度質問。

ああ、そうか。
俺の服装だ。

この服装はどう見ても―――――まぁ、言うなればこの車両にて統一された服装、その中で明らかに浮いている俺の制服。
1ヶ月だけいた前の高校の制服だ。

俺「あ………っと…………………東京の―――」

「えっ!?なんで東京の人がこんなとこにいるの?」

俺「まぁ、家庭の事情で。 仙葉高校に転入―――――」

「えっ!?もしかして転校生!?」




最後まで喋らせてくれ


まぁ、何はともあれ、俺は仙葉高校でのデビューを決めることができただろう。
美人でスタイルよくて、明らかに人気高ぇだろって感じの女子高生だ。

今後はこの子と付き合ってぇ〜〜〜


「次は〜〜銚子〜〜銚子〜〜」

再びのアナウンス。

俺の両脇が立ち上がる。
即ち、降りるということ。
無論、俺もここで降りる。
待ち合わせをしているのだ。



「あっ、皇ぉ〜〜!こっちこっち!」

改札口の先、ホームで俺を待つ女性。

「探したよぉ

ワンピースを着た女。
彼女が俺に声を放ったせいでさっきまで仲良く喋ってた女子高生は
うわっ、なんだ、彼女いたのか、しかも年上
みたいな目で俺を見ている。

誤解だっ!!

あの女は違うんだっ!!

待ってくれぇ〜〜


結希「おいっ、親切に実の姉が呼んでんのになんだその落ち込み様は」

そう、彼女なんかじゃないよ。
こいつは俺の姉ちゃんだよ、ただの……―――――――――――








この天上天下唯我独尊自意識過剰変態姉不幸者の名前は 天城 皇。

本作の主人公。

因みにその姉 天城 結希


2人は駅を後にする。


☆彡
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