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□彼女は泣き虫
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※ブン太視点





目の前のメス猫共に冷たい視線を浴び続けさせながら、しばらくガムを噛み続けた。


味なんかもうしない。






とにかく今俺の頭の中はみょうじの泣き顔で占領されている。



すべてこいつらのせいだ。



まあ、一言で言うと、みょうじがこいつらにイジメられた。



あーあ、ここが学校じゃなく、こいつらがこの学校の生徒じゃなかったら今頃ボッコボコにしてたのに。






「…ま、丸井くんはあの子の彼氏でもないのに、なんであの子なんかをかばうのよ!」



バン!!



「「キャア!」」



思わず側の机を蹴ってしまった。まあ俺の苛立ちはこんなもんじゃあおさまらねえがな。




『お前らラッキーだぜい?何てったってこれから言うことはまだ誰にも言ってねえからな。みょうじは俺の"彼女"だ。』




「「え・・・」」






・・・・・・ごめん。


ごめんな、みょうじ。


絶対言うなって言われたのにな。

約束破っちまった。






みょうじの泣き顔がよぎる。



これを言ったら絶対あいつは泣くだろうな。

ああ、ごめん。

彼女泣かせるなんて。


俺、最低だ。






もとはと言えばイジメられたのも俺が原因だろう。



こいつら片付けたらちゃんと別れを言うか。



だから、




だから、




だから今だけ、



彼氏らしくさせてくれよい。





と、


静かに怒りの刃を振りかざす。




 彼女は僕の彼女



( こんなことをしてもあいつは泣き止まないのに )




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