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□ヲタク彼女に苦戦中
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「・・・・・・・・・・・・」
『〜♪〜〜〜♪』
「・・・・・・・・・・・・」
『〜〜〜♪〜♪〜〜♪』
「・・・・・・みょうじ、」
『〜〜♪〜♪』
「・・・・・・みょうじ・・・」
『♪〜♪〜"ガシッ"
『!?』
『ちょ、蓮二!何すんのよー』
「お前が俺の呼びかけに応えないのが悪い」
『もー、よく見て!アタシは今めちゃめちゃ集中してるの!邪魔しないでよね!』
「・・・ほう、お前は俺よりもそいつの方がいいって訳か」
『そ、そうは言ってないよ!だってコレ早く組み立てたいんだもん』
そう言って大事そうに俺に見せるモノ。
そう、プラモデルだ。
俺の彼女のみょうじは重度のヲタクと言うものだ。
ちなみに今まさにはまっているのがガ●ダムと言うものらしい。
幸い俺はそういった自己満足的な娯楽道具などには興味がない。
よって今はその自己満足的な娯楽道具がうざったいのである。
『・・・ねえ蓮二。どうでもいいけど抱き着かないで。作業しにくい』
「みょうじがあまりにも無反応だったからな。まあ気にするな。俺は別にこのままでも悪くない」
『いや、アタシの問題だろ』
みょうじは俺の腕を振りほどくべく腕の中でジタバタ暴れるが、毎日家の中でインドアな生活を送っているこいつの力は俺にとってゼロに等しい。
それでもこりずに暴れるこいつは、どれだけガ●ダムとやらが好きなんだか。
本当に、
「ヲタクの彼氏は苦労する」
ぐいっとみょうじの頭を自分の方へ近づけて、「なまえ」
『!!!』
静かに彼女の名前をつぶやけば、腕の中の彼女はすでに真っ赤だ。
彼女は俺に本名で呼ばれるのがよほど好きらしい。
なんて単純なのだろう。
まあ俺はそんな単純な彼女だからこそひかれたのかもしれない。
そんなかわいいかわいい俺の彼女に最大の愛を。
と、
「こっちむけ」
優しくキスをする。
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