連載2
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わたしは、妹
corruption.11
「まさか。ほんとに?ほんとに柳くんがわたしのお兄ちゃんなの?」
「ああ。」
ほんとに驚きだ。天と地がひっくり返るくらい驚きだ。でもそうなると疑問がいくつか浮かぶ。
「・・・わたしと付き合った理由を聞きたい。」
こうなると知りながら、付き合った理由を。
「好きだから。だ。」
「ふざけてるの?私たちは兄妹なんだよ?」
「俺は子供の頃からずっとお前が好きだが。」
わあ。この人っていろいろすごい。
「死んだと思ったお前を立海で見た時は嬉しかった。」
ほお。わたしは死んだことになっていたのか。
「でも母さんはお前が生きてることを知っていたんだ。」
「はい?」
なんすかその矛盾。
「母さんは俺の気持ちに気付いていたんだ。だから敢えて俺に言わなかった。」
「・・・。」
「お前はこうも疑問に思ってるはずだ。"なぜわざわざ自分に真実を教えたのか"」
「うん。でも・・・」
今ならわかる。そんな気がする。
(愛故にってやつ?)