連載2

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わたしは誰?



corruption.10










「ここまで言えば頭のいい小夜子はもう感づいてるんじゃないか?」



「・・・だけど、そしたら私たちが今やっていることは法に触れていることになる。もし私たちが――」











兄妹だったら。











「近親相姦。」



「柳くんはそれを知っててわたしに近づいたの?なんの利点もないのに。どうして・・・」



「お前は小さい時の記憶があるか?」



「!」



「ないだろう。それは川で溺れたショックからだ。」



「か、わ・・・?」



あ・・・。

身体が、冷たい。



そうだ。

足が全然届かなくて・・・

手を伸ばしたけど、掴めなくて・・・











”『お兄ちゃん!』”











「お兄、ちゃん・・・」






その掴めなかった手を、今、ぎゅっと握ってる。






(こんなの、傑作すぎる)

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