連載2
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違和感?
いや、違うんじゃない。
――同じなんだ。
corruption.9
「・・・小夜子?」
「あ、は、はじめまして。柳くんとクラスメイトの森野小夜子です。」
しまった。
ぼうっとしていた。
いや、だってこの人――
「ふふ、緊張されているの?かわいい彼女ね。」
わたしにそっくりなんだ。
・・・ん?
いやいや、これは決して「わたしって美人なのよ」って言ってる訳じゃなくて、なんつうか、この人に似てるって・・・あーそれじゃあ同じか。
あーなんかわかんなくなってきた。
「小夜子、どうした?顔色がすぐれないぞ。」
「あ?アハハ・・・。」
「そうね。じゃあ蓮二、早くお部屋に案内して差し上げたら?」
「ああ。小夜子、こっちだ。」
ってな感じで、わたしは柳くんの部屋へ。
やっぱりわたしの部屋より100倍綺麗だった。
ほこりが・・・ないよ?
「小夜子。」
「え?ああ、ごめん。綺麗な部屋だなって思って――」
「お前も、自分でもう気づいたんだろう。」
「え?柳・・・くん?」
「お前が・・・」
いやだ・・・
言わないで――
「俺の母親とそっくりなことに。」
(どうしてそんな悲しい顔して――)