連載2
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綺麗な人だね。
――とっても。
corruption.8
柳くんに、「今度家に遊びに来ないか?」って言われた。
もちろん行きますとも。
そう行く気満々に返事をしてから3日。
ついに柳家に着いてしまった。
き、緊張する。
お母さまに将来の夢聞かれたらどうしよう。
総理大臣とか素直に言っていいかな。
あー楽しみ!
「何を妄想している。」
「あ、柳くん。」
前には私服の柳くん。
残念ながら彼の私服は着物じゃなかった。
「ほら、入れ。」
「お、おじゃまします。」
柳家デビュー
「あら、珍しいお客様ですこと。」
カナリアのような声が聞こえた先には、和服に身を纏った綺麗な女の人が立っていた。
多分あれは――
「ああ、彼女が森野小夜子さんだよ、母さん。」
その人はゆっくりと笑った。
(でもどこか・・・違和感を感じた)