連載2

□9
1ページ/1ページ


綺麗な人だね。

――とっても。


corruption.8









柳くんに、「今度家に遊びに来ないか?」って言われた。

もちろん行きますとも。



そう行く気満々に返事をしてから3日。

ついに柳家に着いてしまった。



き、緊張する。

お母さまに将来の夢聞かれたらどうしよう。

総理大臣とか素直に言っていいかな。

あー楽しみ!



「何を妄想している。」



「あ、柳くん。」



前には私服の柳くん。

残念ながら彼の私服は着物じゃなかった。



「ほら、入れ。」



「お、おじゃまします。」



柳家デビュー






「あら、珍しいお客様ですこと。」



カナリアのような声が聞こえた先には、和服に身を纏った綺麗な女の人が立っていた。



多分あれは――






「ああ、彼女が森野小夜子さんだよ、母さん。」






その人はゆっくりと笑った。






(でもどこか・・・違和感を感じた)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ