連載2
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中学2年生、春
春は春でも貴方を思う春
corruption.7
中1の秋から付き合い出したわたしと柳くんは、なんだかんだで今だに続いている。
「ふふ、柳くんや。数学、教えてあげようか?」
柳くんはピクっと顔が少しだけ引き攣った。
おもしろい。
「なら俺はお前に古典を教えてやろうか。この間の中間テストでは俺の方が3点勝っていたからな。」
ぐ・・・こいつ。
相変わらずこんな毎日なのである。
でも、
ひとつだけ、わたしの日常が変わった。
「小夜子。」
白昼の図書室。
窓辺のカーテンの裏で、私たちはひっそりと青春を楽しむ。
そうだ。
わたしは柳くんを好きになっていた。
(世界がこんなにも綺麗だったなんて)