連載2

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曇りのち雨。いや、嵐?
いや、台風の模様。


corruption.3




「あの・・・その・・・どうでもいいですが、恥ずかしいので離して下さい。」


わたしをホールディングしているその腕を。

いたた。

周りの視線が痛いし。


「ああ、すまん。」


おお、「すまん」なんてずいぶん粋な言い方をする人だ。

確か学年二位の・・・


「柳蓮二だ。よろしく頼む。」


「え、あ、森野小夜子です。」


「では失礼する。」


「うん。ばいばい。」


柳くんはそう言うと、肩にかからない程度に綺麗に整えられた髪を揺らして去って行った。


よくわからない人だ。


会ったこともないのにどうしてわたしが学年トップだとわかったんだろう。


うーん。

それにしても・・・


「華奢な人だったなあ。」


この時わたしは彼が運動部、それもテニス部に入部するなんて思ってもいなかったし・・・


「ちょっと、森野さん?」


「はい?」


「顔かしてよ。」


こんな恐い女の子達に呼び出しをくらうなんてことも、もちろん思ってなかった。


はは、

・・・・・・嵐、いや、台風の予感。

中学一年生、夏。

もうすぐ夏休みです。

梅雨の時期はもう過ぎたハズですが・・・?






(ガールズビーアンビシャス)

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