連載2
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こんにちは、天才さん。
corruption.2
「早く総理大臣になりたいなあー。」
購買で買ったやきそばパンを片手に、騒がしい昼休みの廊下を進む。
ああ、早く総理大臣になりたい。
わたしが総理大臣になったら女性の社会進出がもっと楽になるかもしれない。
ふふ、楽しみだー。
「おや?」
一年生廊下の真ん中に張り出された大きな紙。
「ああ、そうか。テストの結果が・・・。」
パンをかじりながらだるそうに目の前の人だかりに入って行った。
できれば平和にクラスまで到着したかったんだけど仕方ない。
「ちょっとすみません。いたたた。すみません。」
身体同士がぶつかり合ってキシキシ痛む。
暇人たちめ。放課後見に来ればいいじゃないか。
「え、うわっ・・・!」
いきなりひらけた場所に出てしまったため、バランスを崩して転んでしまった。
・・・・・・多分、誰かの上に。
だって痛くないし。
「あの、すみません。大丈夫ですか?」
「ああ、問題ない。お前こそ平気か?"一位さん"」
「はい?」
何を言っているかわからなかったさ。
だって、わたしはまだテスト結果の"一位"の場所に書かれた自分の名前を見ていなかったから。
まあ、これが"学年トップ"のわたしと、"ニ位"の柳蓮二くんとの出会いである。
(初めて触れた男の人の身体はとても華奢だった)