最遊記
□隣人@
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「―――行く。行くに決まってんじゃん」
「仕事は?」
「なんとかなるっしょ」
そう言って笑う悟浄に、三蔵は不覚にもつられて笑みを零した。
「じゃ、またなっ」
これから寝るには不必要なテンションで悟浄は部屋へと戻っていった。
ふと、三蔵の脳裏にある疑問が過ぎる。
バーテンの仕事ごときでこのマンションが買えるものだろうか。
自慢ではないがここは都内でも有数の高級マンション。
あの自堕落な生活を送っている男にそれだけの財があるとは思えない。
「ま、どうでもいいがな」
灰皿に煙草を押し付けると、久々の余暇を満喫すべく部屋へと戻った。