最遊記
□隣人@
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知り合って数ヶ月、不本意ながら自分達はとっくにただの知り合いの枠を越えてしまっていた。
「んなわけあるか。休みだ休み」
「あ、今日って日曜か。じゃぁどっか遊び行かねぇ?」
「ふざけんな!せっかくの休みに何でテメェと―――」
「って言いたいトコだけどー、仕事明けで眠いんだよね〜。夜も用事入ってるし」
三蔵の反応を楽しむような悟浄の笑みが深まる。
からかわれたのだと気付いた。
「んじゃ、寝るとしますかね。オヤスミ〜」
「悟浄」
「んー?」
人懐っこい笑顔は、ひらひらと手を振って部屋へ戻ろうとしていた。
「来週の金曜なら、仕事が早くにあがる」
「はい?」
「酒くらいなら付き合ってやる」
チラリと悟浄を見遣ると、何とも言えない間抜けな顔をしていた。
「夜は都合が悪いか?」
悟浄はいつも朝方に帰ってくる。
夕方まで眠り、それから仕事へとでかけるのだ。
いつだったか、バーテンの仕事をしていると言っていたが――。