最遊記

□キスくらべ
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「上等じゃね?試してやるよ生臭坊主」

三蔵の唇に柔らかいものが触れた。
しかしすぐに離れようとする。
それが気に入らなくて、三蔵は素早く悟浄の後頭部に手を差し入れ引き寄せた。

「んっ……」

僅かに漏れた声に胸が踊る。
もっと聞きたくて、抉じ開けた唇の間から舌を挿し込み掻き回す。
想像以上に気持ちが良かった。
渇きを潤すかのように、ひたすら貪る。
上顎をなぞる度ヒクリと跳ねる身体が愛おしいとすら思った。

「っ、はぁ……んぁ…」

三蔵の勢いに圧されていた悟浄も、次第に己を取り戻したのか、舌を絡ませてきた。
あとはただひたすらお互いを味わう。
あの時と同じ水音が、耳だけでなく頭の中まで響いていく。

とんでもない快感が押し寄せ没頭した。
次から次へと沸き上がる衝動を抑えられない。
程好く力の入らなくなった長身を後ろのベッドへ倒せば、あっけなく横たわる。
それがまた、三蔵の欲を一気に煽った。

「んン、…ふ、……ぁ…っ……っ!っは、三蔵!?」

口付けの合間に、三蔵の手が悟浄のタンクトップをたくし上げ、中へと侵入を果たした。
明確な意図を持って触れてくる手に、悟浄は焦る。
気持ちの良い事は好きだが、ここまでされるのはまた話が別だった。

「大人しくしてろ」
「あほか!んな事まで許してねぇっつの!」
「てめぇの許しなんざ必要ねぇ」
「あるわ!マジでこれ以上すんならアンタとはもうキスしねぇ」
「………チッ」

真剣みを帯びた悟浄の声に、今後悟浄とキスが出来なくなる事が本意ではない三蔵は渋々手を引いた。
悟浄の上に乗り上げたままである体勢は変えてはいないが。

「無断で手ぇ出さなきゃ、またキスしていいって事か?」
「何、ハマった?」
「あぁ、予想以上にキた」
「はっ、素直で結構」

くつくつと笑う悟浄の唇に、もう一度口付けた。
今度は優しく触れ合う程度に。

尻軽の様でガードの固いこの男をどうやって落とそうか。
きっと八戒も黙ってはいないだろうから。

三蔵は柔らかい唇を啄みながら、これからの戦いへ向け決意を新たにした。





久々の三浄小説がコレ…ってどうなんだろうと思いましたが、霧谷と米里はMAXで盛り上がったネタだったので。
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