50万hit企画部屋

□〜ジェダレイ編〜
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瑛二とレイの場合

※大学生設定



「レ、レイさん?」

「んんー」

俺の肩にもたれて眠ってしまった彼女はいつもじゃ考えられないほど無防備な姿を晒している。

確かにいつもよりもペースは速かった。けれどお酒に結構強い彼女であれば、潰れてしまうほどの量ではなかったはずだ。

彼女の祖父は都内の宮司の集まりとかで今夜は留守にしていた。別に俺は留守の間に来てどうこうしようなどと思ったわけではない。いつものように外で会おうと誘った。けれど…

「今日は疲れてるから出歩く気分じゃないの。どうしても会うなら家に来て」

そう彼女に言われてしまえば、会わない理由が一つもない俺としてはその言葉に乗らないはずもなく。

だけど今思うと家に来たときから彼女の様子はどこか変だった。やたらと良く喋り、普段はあまり振舞うことも無い料理までご馳走してくれ、更には彼女の祖父の秘蔵の日本酒まで持ち出して飲み進めていった。

もしかしなくても、何かあったのか?言ってくれればいいのに。俺は彼女にとってそんなに頼りにならない存在なのだろうか。

「ん……」

落ち込んでいたところで再び彼女は無意識下に色っぽい声を上げる。

や、やばい、駄目だ見るな。見たら絶対止まらないって分かってるだろ。


よしとにかく距離を取ろう。寝かせよう。いや、寝かせるからと言って何をするわけじゃないぞ。休息だ。酔ってしまった彼女には休息が必要なんだ。寝かしたら俺は帰るんだ。無問題だ。


煩悩というものを理性とこの火川神社で日頃培わせて頂いている精神力で猛烈に押し留めて、彼女をなるべく見ないように心頭滅却して、急いで用意した布団に運ぼうと横抱きにする。

何とかそこへ彼女を寝かせて離れようとすると、突然手首を掴まれた。

「ねえ。」

「あ、水、飲む?」

そう言って立ち上がろうとするも彼女の手の力が強くなりもともと落ち着いていない心臓が音を立てる。

「帰るの?」

「うん。そのつもりだけど…」

「…」

黙ってしまって気になる俺はとうとう彼女のことを見てしまった。
しかしその表情が物凄く寂しげで殆んど見たことのない弱々しいその雰囲気に激しく動揺する。

「そうよね…。可愛くないものね。私は。」

「え?」
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