50万hit企画部屋

□〜勉強会編〜
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甘すぎる二人〜勉強会編〜

※亜美視点

衛高校三年、うさぎ中学三年



「さあうさぎちゃん!あなたの勉強の効率を上げるためにあなたの願い通り衛さんを連れてきたわ!じゃんじゃんやりましょう!!」

「えーーー…」

「うさ、頑張ろうな?」

「うーん…」

受験勉強真っ只中の私達。衛さんはKO大学医学部に合格ほぼ確定なのはもちろんのことなのだけど。ここにきてうさぎちゃんの状況はかなりピンチ。敵が現れていたときのほうがメリハリがあったのか危機感もあったのか。なんとか勉強にも彼女なりに意識を注いでいたのだけれど。

平和になったらどうも気が緩んでしまったみたい。衛さんに会いたい、デートしたい、いちゃいちゃしたいと聞いてるこっちが恥ずかしくなるようなことをぐちぐち勉強会で零す様になってしまって。それならばと私も立会いの下、衛さんに勉強を見てもらうために来てもらったのだ。

勉強して、彼に褒められでもしたらきっとうさぎちゃんの意欲も上がるだろうと信じて。




「だからな、ここはこの公式を使って、xとyに…」

衛さんは熱心に教えているのにうさぎちゃんときたら。彼の横顔にぽーっと見惚れててシャープペンも全く動いていない。きっと頭の中も勉強のためには一切働いていない。
堪り兼ねた私は口を開いた。

「うさぎちゃ「うさ!聞いてるのか?」

折り重なる彼の声にはっとなる。そうそう衛さん。言ってやってください。きっとあなたの言うことが一番うさぎちゃんの心に響くはずなんですから。

「聞いてるよ♪まもちゃんの声、かっこよくって〜だーいすき!久し振りにこんなに近くで聞いたからドキドキしちゃったー!」

にっこにこの可愛らしい笑顔で返すうさぎちゃんに脱力する。

さあ衛さん!がつんと言って下さいがつんと………って、はい?

「……っ」

衛さんは真っ赤になって黙りこくっていた。

ええ。確かにうさぎちゃん、天使みたいな笑顔でした。というかうさぎちゃんは天使ですそれは認めます。

でも今は勉強会!!そこであなたが本気で照れててどうするんですか!!!

「もっとー聞かせてください!衛センセ♪なんちゃってー!えへへ♪♪」

うさぎちゃん!あなたも天然小悪魔モードを無意味に発動させないで!!

「…ばか言ってんな。」

はい衛さんアウトです。その顔にその声じゃ全然威力ありませんから。

やっぱり私ががつんと言うしかないのかしら…。

溜め息を付いてそんなことを思ったときだった。すっと衛さんの包むオーラが変わって息を飲んで見ると、どことなく黒い笑みを浮かべた彼がいた。

まさか。うさぎちゃんの天然破壊力が彼の変なスイッチを押させてしまった…?

「出来の悪い生徒にはご褒美はやらないぞ。うさ?」

「え!?」

「いいのかな?」

うさぎちゃんの頭を引き寄せてにやりと悪い顔で笑う衛さんに瞳を潤ませるうさぎちゃん。その距離わずか数センチ。


なななななななに?なんなの…っ!?

破廉恥!破廉恥よ!!二人とも!!!

刺激の強い衛さんの急な色気に許容範囲を超えた私の頭の中が破裂する。

「がんばる…っ!」

「よし、いい子だなうさは」

パニックを起こしている最中。さっきまでの変な空気はなくなっていて。いつも通りの衛さんがうさぎちゃんの頭をよしよしと撫でていた。

あ…?幻…?白昼夢?なんだったのかしらさっきのは。

頭が整理しきらない私だったけれど、とにかくうさぎちゃんが勉強にようやく意識を向けてくれていることに安堵した。




おわり

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