10万企画部屋

□Raindrop〜綴る想い〜
2ページ/21ページ



−1−


いつからだろう。

あなたが私の特別になった瞬間は。








「ねえ衛、このチンチクリン娘のどこがいいわけ!?」

いつだったかうさぎを前にして、思ったとおりのことを衛に問いただしてみた。

「分からなくていいよ。」

「うさを好きな男は俺だけでいい。」

きっぱりとそう言い放つ衛に、何も言えなくなった。



それだけ相手を想う気持ち


相手からも同じだけ想われる気持ち




そんなシンプルで、でもなかなか確信を持って言える事でもないものを。



彼らはもう手にしているのだと知った時。




何か言いようも無い思いが心の中で膨らんだ。










同じように転生して、同じ星にいて、同じように男と女のはずなのにどうして自分は。


自分の思いはこうも上手く伝えられないのか。


それ以前に、彼女が自分に対して何を思っているのかすら全く分からない。




それでも確かに消えない想いが心の隅でくすぶっている。



苛立ち。焦燥。ちっぽけな虚栄心。





認めきれない





想い







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ