10万企画部屋
□Raindrop〜綴る想い〜
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いつからだろう。
あなたが私の特別になった瞬間は。
「ねえ衛、このチンチクリン娘のどこがいいわけ!?」
いつだったかうさぎを前にして、思ったとおりのことを衛に問いただしてみた。
「分からなくていいよ。」
「うさを好きな男は俺だけでいい。」
きっぱりとそう言い放つ衛に、何も言えなくなった。
それだけ相手を想う気持ち
相手からも同じだけ想われる気持ち
そんなシンプルで、でもなかなか確信を持って言える事でもないものを。
彼らはもう手にしているのだと知った時。
何か言いようも無い思いが心の中で膨らんだ。
同じように転生して、同じ星にいて、同じように男と女のはずなのにどうして自分は。
自分の思いはこうも上手く伝えられないのか。
それ以前に、彼女が自分に対して何を思っているのかすら全く分からない。
それでも確かに消えない想いが心の隅でくすぶっている。
苛立ち。焦燥。ちっぽけな虚栄心。
認めきれない
想い
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