短編D

□Happy Birthday dear...?(衛クイーン)
1ページ/5ページ

※このお話は、Happy birthday dear...の続編です。これ単品でも読めます!気になる方は前作もおヒマな時にでもどうぞ☆







朝目が覚めると、そこには大好きな旦那様がなぜか驚いたかのようにこちらを見ていた。

「おはよう。」

きゅっと抱き着いてそう言うと、ためらいがちに腕を解いた彼が困惑したように目線を逸らして、目元を赤くして言った。

「クイーン、俺、衛……です。」

「え?」

頬を触る。すっと馴染む肌とは少し違って瑞々しい。薄紫のラベンダーの髪色は漆黒の艶やかなそれ。大好きな蒼い瞳はそのままだけれど、赤くした顔は私の知るあなたよりも幼く見えた。

「まもるって……!え、ええええええええーーーーーー!!!???」


私の大絶叫に驚き、バサバサと窓の外の鳥が飛び立つ音。そして耳を軽く押さえて苦笑する、ずいぶんかなり!わかーいころのあなたが私を見ていた。


これはっこれは一体どういうことなのおおお!!??

突然起こった不思議な事態に目を白黒していた私だったけれど、未だに少し顔を赤くしている彼に気付いてまじまじと見てしまう。

か、かわいい…♡

まもちゃん、なのよね?あの頃の。思い出がいっぱい詰まってる20世紀の頃のあなたなのよ…ね?

目を閉じなくてもすぐに思い出せる私の青春時代。きらきらドキドキしていた10代のころの記憶があなたを前にして一気に私の中に戻ってきた。

「あ、あの…どうして私、あなたのところに来てしまったのかしら。」

「それは……僕にも分かりません。すみません、あの僕、うさこだと思ってあなたに何か失礼なことをしてしまったかもしれません。寝ていたので分からないのですが……。」

「あらどうしてそんな事気にするの?私たち夫婦なのだから大丈夫よ。」

「ふ、夫婦……」

赤くなっちゃったわ。かわいい…じゃ、なくて!そ、そうよね。いくらあなただからと言ってまだそんな関係じゃないのだから困るわよね。

「ごめんなさい。あなたには迷惑かけないようにするわ。こうなってしまった事も自分で解決します。だからあなたは…

「迷惑だなんて思いません!」

「まも…る、さん。」

「一緒に考えさせてください。未来に戻る方法を。僕は、あなたの力になりたいんです。と言っても、僕では力不足かもしれませんが…でも、あなたを守りたい。」

真摯な目に胸が高鳴る。いつの時代も、あなたはあなたなのね。

「ありがとう!嬉しいわ。大好きよ!!」

もう一度、さっきよりも強く抱き着くと昂る気持ちのままに、いつも旦那様にするように頬にキスを贈った。

「く、クイーンっあの、とにかく何か服を着てください!!!」

そこでようやく彼が頬を赤くしていた理由を知った。

そうだった、私、シースルーのネグリジェ一枚だったわね……


ごめんなさい、まもちゃん……



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ