お題

□7・君は花に囲まれて微笑む(ネフジュピ)
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出会いのお互いの印象は最悪だった。

売り言葉に買い言葉。おまけに彼女の得意とする電撃まで喰らわされて散々だった。

何もかも気が合わない。そう思っていたが。



植物に対しての知識の豊富さや、好奇心は驚くほど自分と似ていて、いつの頃からか俺は彼女がこの地に来ることを待つようになっていた。


そこに恋愛感情はない。ただ自分には無い草花の知識を彼女から得られることが純粋に楽しかったのだと思う。

恋愛に発展しないのは俺たちの展開される会話やムードがおよそロマンから掛け離れているせいもある。

常に肥料の配分だとか植物の性質だとか…彼女は知識を披露するときも請うときもびっくりするほど真面目で、目は鋭くて時には熱心にメモをして。

そんな状況下で恋だの愛だの生まれるほうが不思議だ。





しかし元来俺は女性が好きだ。

こう言っては何だが女性に不自由したことは一度も無い。そのくせトラブルを起こしたことも無い。

触れ合いもキスもハグも好きだし、もちろんそれ以上も。男としてそれは当然だとは思うけれど。



だからジュピターとの間柄は俺にとって極めて珍しいケースだった。

俺は彼女とはそういう男女の関係にはなりたくなかった。むしろ、対等な同士という関係としてこれからも付き合っていきたい。そんな風に思っていた。


彼女は俺にとって、性別を超えた特別な存在なのだ。





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