お題

□2・君が一番だよ(まもうさ)
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たとえば君が俺を選ばなくても

どんなに俺のことを嫌な奴だって思っていたとしても


俺にとっての一番はいつでも君だから


きっと、初めからそうだったから。












「タキシード仮面!タキシード仮面…!!」

ゾイサイトに虹水晶を出した後、背後から狙われたセーラームーンを咄嗟に庇った。

セーラームーンをいつも守っていたのは、正体に気付かなくても『君』だったからなんだ。

誰よりも守るべき、大切な君だったから。


今、はっきりと分かった。

俺はセーラームーンであり、うさぎである君にずっと、惹かれていたのだということを。


大好きなタキシード仮面が俺だと分かって幻滅したか?


だけど俺は、セーラームーンが君だと知って、一層自分の気持ちを確信したんだ。





「セーラー…ムーン、怪我は無いか?」

「う…うん…!」

瞳に涙をたくさん溜めて俺を見る君に何故かデジャブを覚えて…。

君に伸ばした手は、本当は触れたかったけれどほんの僅かの勇気が足りなくて少し上げるだけで留めた。



それでも君が無事だったことが何よりもほっとして。

誰よりも愛しい君を守ることができて、嬉しかった。

それだけで充分だったんだ。







「何泣きそうな顔…してるんだ?」


自分の溢れ出る気持ちを言うことはできなくて、力無くそう言うのが精一杯だった。


情けないけれど君の顔を忘れないように見つめることしか出来ないでいた。



俺のこと、嫌いじゃなかったのか?

そんなに辛そうな顔で、心配そうに泣き出してしまう君を見たら、勝手に都合のいい夢を見てしまう。


もしも君が俺と同じように想っていてくれたなら、それだけで俺は…。




「無事で…よかっ…た…」




セレニティ





俺の全ては君のもの。






俺にとって、君は全て。







好きだったよ






うさぎ












おわり

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