お題

□15.痕跡
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「…はよ」

朝目を開けると、まもちゃんも眠たそうに瞼を開けて掠れた声でそう言った。

何も着ていないのに朝の光が眩しくて、明るい部屋に恥ずかしくなった私は肩まですっぽりお布団を被って大好きな大好きな彼に朝の挨拶を返した。

するとちゅっと触れるだけの優しいキスをしてくるまもちゃんが「なんで隠すんだ?」と心底分からないって感じに聞いてくる。そして布団をくいっと引いて露わになる胸元を見てにっこり笑う。
な!なんで今そんなに素敵な笑顔…?!

「は、恥ずかしいもん…っ」

ばっともう一度隠すと

「隠すなよ、綺麗なんだから。」

「っっ!!」

拗ねた男の子みたいなちょっと可愛い顔をしてそんな事言われてぶっ倒れない女の子なんているのかしら?あ、もう横になってるんでした。だから私は枕に顔を突っ伏しました。

「でもごめんな、綺麗なのに跡つけちまった。」

頭をそっと撫でてくれながらまもちゃんは今度はうなじにキスをくれるからぴくっと反応してしまう。

「ここと、ここも…」と、うなじ、背中、手首、胸元に触れて教えてくるからまたその度に反応してしまう。その間に仰向けにされてしまったから真っ赤な顔もカラダも全部見られてしまった。けど、まもちゃんは嬉しそうに優しく笑うから恥ずかしいのに私も嬉しくて彼が頬を撫でる手をそっと握って自然と笑みを送り返す。そしたら今度はちょっと苦しそうな顔をしたまもちゃんから深いキスをされて、私も彼の髪の毛を弄びながら夢中になって応えてしまう。



まもちゃんの言ってる跡は少しだけ紅く残ってる。でも私はもちろんそれは嫌じゃなくて、言葉ではなかなか伝えてくれないけど、うさは俺のだって言ってるみたいに感じるからすごく、嬉しい。
変かな。でも、大好きな人に大好きって返されてるその証が…私はとても幸せだって感じるの。

「うさ…」

「うん…」

それだけの言葉で私たちはまた重なり合うと、もう一度幸福の証を刻んでいった。



fin.

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