お題

□04.おはよう
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※エリレディ
クリスタルトーキョー恋人設定
初朝チュン




あれ…?いつもの天井、じゃない…?
枕もなんだか硬い…?


目が覚めた私はまどろんだ意識の中ぼんやりとそんなことを思った。思って次の瞬間、顔が火を噴くように赤くなった。

だって、ここはエリオスのお部屋で、枕だと思ったそれは、その部屋の主である恋人の腕だったのだから。
そのまま顔を見たら、朝の光に髪がキラキラしてなんだか夢みたいに綺麗でもう直視できない。
とにかくもう恥ずかしすぎて勢いよく起き上がる、はずだった。

「だめ…力、入んない…」

「…レディ…?」

恋人の起きる気配に心臓が跳ね上がる。

「エ、エリオス!?」

どどどどうしよう、まだ心の準備が…っっ

シーツを頭から被ってどうにかドキドキを納めようとしたけどなかなか上手くいかない。

「レディ、大丈夫ですか?体、辛いですか?」

違うってばエリオス!確かにちょっと辛いけどもそうじゃなくってっ

「……」

ちょっと考えてる気配。シーツごとぎゅっと優しく抱き締められて息が止まる。

「レディ、顔を見せて…?」

耳元に甘く吹き込まれて頭が痺れるみたいにうまく働かない。

「だめ、見せらんない…!」

「どうしても?」

「ど・う・し・て・も!!」

「それでも…あなたに朝の挨拶をしたいです。」

お願いしますと続けられたら、答えないわけにもいかなくておずおずとシーツから顔を出す。

「やっと出てきた。」


イジワル…!!


まるでいたずらっ子みたいに笑うエリオスはなんだか全然見た事ない顔で…やっぱりまだ隠れてれば良かったと後悔。

「あなた、ほんとにエリオス?」

私ばかりがドキドキしてるみたいで、ちょっと余裕のエリオスが悔しくて、つんと口を尖らせてしまう。

「それは君が一番よく分かってると思うけど。」

「うぅ…」

「おはよう、レディ」

「…っ!」

とろっとろに甘い顔で、いつもより少し掠れた声で頬に手を置かれて言われてキスまでされたら…

「お、おはよ!おやすみ!!」

がばっと再びシーツを被る。

だって!こんなの隠れるしかないじゃない!!

なのに。見えないけどすっごく楽しげに笑うエリオスが、かわいいってとーーーーっても優しい声で言うから。

しばらくは芋虫のようなぜんっぜんかわいくない状況にゴロゴロとわが身を委ねるしかなかった。






2015.5.22

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