お題

□02.3センチ 
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※年齢逆転パロ
まも中三、うさ高三




「どしたの衛くん。」

「いや…なんでもない。」

一の橋公園。隣に歩くうさぎさんは俺が彼女を見過ぎていたせいかちょっとだけ頬を染めて聞いてくる。

付き合ってもうすぐ一年が経つ。成長期の俺は出会った頃よりも確実に背が伸びてきた。
それでもまだあと少し足りない。

「あと、3センチくらいかな。」

「何が?」

「俺の背。恋人同士でもおかしくなく見えるようになるかなって。」

年齢の差はどう足掻いても無理だから。せめてそれくらいは。俺の彼氏としてのプライド。

けれど、きょとんとしてから少し怒ったように頬を膨らます彼女に瞠目する。

「衛くんはー、衛くんでしょ!?」

「うさぎさん…?」

「私が付き合ってるのは衛くん!」

手を掴まれて突然スピードを速めた彼女に木の影へと連れられる。

「う、うさぎさん何…っ!?」

うさぎさんからの不意のキス。体中の温度が上がって俺は阿呆みたいに動けない。

「……背とか、見た目とか。そんなさみしいこと言わないで。私が好きなのは衛くん。衛くんが好きなのは……私。それだけで、充分シアワセなんだよ…っ」

彼女はそう囁いた。目に涙を溜めて。

その距離およそ3センチ。



ああ、俺…馬鹿だな。
泣かせるつもりなんて、なかったのに。

だけどさ、こんなに可愛くて大事な彼女に、ちょっとくらい格好良くなりたい、釣り合う彼氏になりたいって思う俺を、どうか許して。

成長期はいつか終わるけれど、うさぎさんへの想いは、きっと加速していく一方だから。




俺は小さく返事をすると、涙を拭って彼女にキスを返した。



2015.5.21

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