お題
□手、握ってください
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図書委員の当番日ではない日と、なにも用事がない日のみ、という条件で、わたしは臨時のバスケ部のマネージャーになった。
マネージャーになってから気づいたが、我が学校の運動部は部活時間が長いのも有名だったが、内容もかなりハードであることを知った。
『こ、こんなこと毎日してるのってすごいね』
「慣れればどうってことないですよ」
休憩中の彼らにスポーツドリンクを配り、後方に座っていた黒子くんに話しかけた。
「いや、黒子あんたはじめぶっ倒れまくってたからね」
すかさず相田先輩がツッコミをいれた。
やはり。
バスケ部では一番背の低い、そして色白で細めの黒子くんを見やる。
どうみても、運動部には見えないもんなぁ…
「なんですか、名字さん。俺に惚れたんですか」
『えっ?!』
「「「「「ブハッ」」」」」
ちょうどドリンクを飲んでいた数人が同時に吹き出した。
「黒子、ふざけんなら外周いってもらうからね」
「まあまあ監督落ち着いて」
「うるさい日向、お前も外周!」
横暴だー!そうだそうだー!なんて他の部員さんから声があがる。
本当に仲が良いなぁ。
『じゃあわたしは時間なのでお先に失礼しますね』
臨時マネージャーとはいっても正式な部員ではないないわたしは、午後6時には帰宅するようにと、他の先生からの通達があったそうだ。なので、五分前には作業を切り上げ着替えた後、速やかに帰宅しなくてはいけない。
「今日もありがとうね、助かったわ」
『いえ、お役に立てれば嬉しいです』
部員に挨拶をしながら女子更衣室に向かった。
着替え終えて更衣室から出ると、向かいの壁にもたれ掛かりながらしゃがんでいる黒子くんを見つけた。
『あれ?黒子くん、部活は?』
「…あの、名字さん、」
手、握ってください
(えぇっ?!なんで?!)
(明日、練習試合があるんです。名字さんにパワーを貰おうと思って)
(パワーを…。あ、うん、そういうことなら……なんか照れるね)
(真っ赤で可愛いです)
(っ可愛、いくはないです…)
(可愛いです)
(わー!わー!もう言わないで)
(クォォラァァア黒子どこいったあああぁぁあ?!)
(監督コエー……黒子…グッドラック)
………
更新!久々!←
141028