お題
□カレンダーの×印
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『棗くん』
「なんだ」
『……このカレンダーの×印って何』
補習と面接の練習のため、実質夏休みなんてない三年のわたしは、今日も今日とて学校に来ていた。
そして、夏休みに入ってから気になっていたことをついに棗くんに訪ねてみた。
『棗くん、補習が始まってから必ず教室にあるカレンダーに×書いていってるよね』
それもマッキーの黒太字ででかでかと。
『なんか追い込んでいっているみたいでカレンダーを見るのが嫌になるよ』
まるで、受験日まであと何日、と区切り猛勉強をする浪人生のようだ、なんて浪人生に失礼なことを考えた。
あと、
『今月の最後の日曜日、何かあるの?』
そう、8月最後の日曜日、その日だけは黒字で×印ではなく、数字に赤字で丸が囲まれていた。
これは夏休みになる前から書いてあった。
それは明日であることと、その日は夏祭りがあるので、なにか関係があるのではないかと気づいたから、補習最後の日の今日、聞いてみた。
「おぉ!名字気づいたか!」
『いや、このクラスみんな気づいているよ』
誰ひとりとして棗くんにカレンダーの謎を聞いていないようなので、気になってしかたがなくなったわたしは本人に聞いた。
「これは、合図だ」
『はい?』
「俺からの、」
合図?
疑問符だらけの顔になったわたしに棗くんが笑う。
うっ、イケメンの不意打ち笑顔は直視できない。
「名字への」
『………わたし?』
そらしていた顔を棗くんに向けると、棗くんは机を乗りだし至近距離にいた。
『うわ、』
「なんだその声は色気のない」
だがそれがイイんだがな、としてやったり顔で言われた。
カレンダーの×印
(気づいてもらえなかったら実力行使しようと思っていたぞ)
(…ちなみに実力行使ってどんなことしようとしていたの?)
(名字の家に押し掛けて浴衣に着替えさせて夏祭りに連れていく)
(強制的に?!)
(……気づかない名字が悪い)
(えええ)
………
原作無視スミマセン…
恭介が好きなんです←
口頭で伝えられず、察してもらうまで待つ…ヘタレですね
140718