お題

□…おねがいします
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図書室での一件から、黒子くんがわたしに話しかけてくれるようになった。

あの後黒子くんの相手?……というか会話をしたわたしは、彼がわたしと同じ委員会に入っていたことを初めて知った。
そして意外に本の趣味が合い話が盛り上がり、互いのオススメの本を貸し借りすることになるまで意気投合した。

あまり接点のない、違うクラスの人と仲良くなれる機会はあまりないので少し嬉しかった。
その上本の趣味が同じだなんて、なんか出来過ぎていて漫画っぽいな、なんて思ったりもした。


「名字さん」

『あれ、黒子くん』

「あの、ちょっといいですか」


放課後、生徒が入り乱れる昇降口で、制服姿ではない黒子くんに呼び止められた。
そういえば黒子くんはバスケ部だって聞いた気がする。
今から部活なのかなぁ、大変だなぁ、なんて思った。


「ちょっと頼みたいことがあるのですが」

『頼みたいこと?』

「…あの、臨時でいいのでマネージャーをしてもらえませんか」

『マネージャー?バスケ部の?』

「はい。いきなりですし、無理に、とは言いません」

確かにいきなりだ。
しかしこうしてわたしを頼ってくれているのだから迷う。


『でもわたし、運動部のマネージャーなんてしたことないし』

「誰しも初めは初心者です」

『なんか名言っぽいね』

「………………します」

『え?』


昇降口の雑音に、黒子くんの声が消えた。

ホームルームを終えて、別クラスの生徒が靴箱に大挙してきたようだ。
わたしたちがいる靴箱の右隣が騒ぎだした。


『ごめん、黒子くん、もう一度言ってくれる?』


うるさい回りの音を拾わないように、両手をメガホンのようにして黒子くんに向けた。

黒子くんはゆっくりわたしの手を覆うように握ると、耳元でこう言った。



…おねがいします


(名字さんしかいないんです)
(手、手、手は握らなくてもいいんじゃないかなぁ?!)
(俺が触りたかったんです)
(?!)



………

前書いたものの一応続き、です
辻褄合わせるために前作書き直ししました…
支離滅裂な文章で申し訳ないです…

この黒子くんは小悪魔?なのか?
謎です←

140710


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