お題

□プール終いの日
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暑かった今年の夏。
今日まで本当にいろいろあった。
主に翔陽に、だけど。


『翔陽に彼女ができるとは思わなかったわ』

「はあ?!名前絶対俺のこと舐めてんだろ!」


そう、幼なじみである翔陽に、初カノができたのだ。
春にあった、翔陽にとって初の練習試合の日。
青葉城西の応援に来ていた子に、翔陽は告白された。
わたしはマネージャーではないけれど、現マネージャーがひとりしかいない上、他所の学校のコートにて練習試合、となると人手が足りなくなる。
今もだけれど部活をしていないわたしはたまにピンチヒッターマネとして駆り出されていた。
勿論、ただ単に純粋にマネージャーをしたいからする、という訳ではなく、下心があってのことだった。

……だったんだけど。


わたしの下心の相手である翔陽は、青葉城西の子に告白されたと、わたしに真っ赤になりながら相談してきた。
彼女、俺の中学の試合、見ていてくれたんだって。その時に、えと、ひと、めぼれ、した、って。
目の前が真っ暗に、なんて経験はしないだろうと鼻で笑っていたわたしはその現象に直面し、呆然とした。

途切れ途切れになりながらも、お友達から、とかでいいんじゃないの?なんてぽろっと言ってしまった。
あとからこの一言をものすごく後悔した。

その後アドレスを交換した翔陽と彼女は、プールの授業が終わる日、見事カレカノになった。
報告を受けた今、自分の愚かさに絶望したが、彼女のことを嬉しそうに話す翔陽に、何も言えなかった。

この日、翔陽に対する気持ちに蓋をした。





プール終いの日
眩しく笑う翔陽に、おめでとうと言った


………

シリアスっぽく。
初日向夢…です
まだ夏休みにも入ってませんが終いのお題をば←

140707


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