だいいち
□里親募集中。
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わたしのクラスには、衝撃的な人物が多々いる。
その中でも一番衝撃的な人物が。
「名前名前、何かしてほしいことはあるか?」
『…夜刀神くん………いや……別に…』
「くっは、これが放置プレイ」
『いや何もしていないから。って何もしていないのが放置プレイか。どうしようか。どうにもできないな』
あはは、と笑った。
ひとつ前の席のシロくんも一緒に笑ってくれた。
あはは、愉快愉快。
もう笑うしかない。
どうしてこの転校生がわたしにまとわりつくようになったのかと言うと、理由は明解。
犬の主人である三輪先生の命令だからだ。
『…ねぇ夜刀神くん。三輪先生は、わたしにあなたの世話、というか学校の行事や委員会の説明をするために言われてただけだからね』
「一言さまは俺に名前の手助けをするように、と、申し、っつけりゃれ、っうぐ」
…いきなり夜刀神くんは泣き出した。見事な駄々のこねかただ。
『何故泣く?!わたしがいじめたみたいになるじゃん!止めてよ!』
「うぅ、名前の命令とあらばなんなりと、ぐす」
『命令でもなんでもいいからすぐに泣き止んでよ』
「あ、名字さんいーけないんだ、いけないんだ♪」
前に座るシロくんが囃し立てる。マジでやめろ。
「い、今また泣いたら、おしおき、してくれ、るのか?」
涙目で頬を赤く染めながら恐ろしいことを言ってきた夜刀神くんを無視する。したことないし、することは永遠にない。決して。
「なんだなんだー?またクロ泣いてんのか?」
今度は八田くんが絡んできた。ああもうなんなんだこいつら。
「貴様にくれてやるおしおきなぞないわ!失せろ!おしおきを受けるのは俺だけだ!」
「は、はぁああ?!?!」
あーあー何も聞こえない。わたしは関係ない。
「それは無理だよ名字さん。一言さんの言葉はクロにとっては法律よりも厳守すべきことだから」
『…心を読まないでくれ………シロくんが、三輪先生のお願いを聞いてもいいんじゃないの?って言ったから…』
「最終決定は名字さんが出したんだよ?」
ふわりと綺麗に笑うシロくんに目眩を覚えた。
「…っ!名前!シロばかり構わないで、ほしい!むしろ俺を、構え!」
『…えええぇ…』
このワンコ、誰か引き取ってください。
里親募集中。
(夜刀神くんが仕えているのは三輪先生だけでしょ?!)
(いや、出会った瞬間、電流が走った。きっと運命のSとMが引き寄せらたからた。)
(SとNでしょ…Mは止めろ)
(ちなみにSは名前でMは俺で、)
(うわー話聞かねぇ!とんだドM野郎だな)
(ドドドドドMちゃうわ!)
(…うぜぇ)
………
ドMちゃうわ!好きです
つか原作知らないという←学園K漫画購入記念!
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