だいいち

□火
1ページ/1ページ





次の日、自分で自分を呪いたくなった








衝撃の火曜日





「ね、ね、名前!」


『おはよう、秋穂』


「おっはよう名前!…じゃなくて、昨日!!」



朝、教室に入るやいなや、秋穂がテンション高めにはしゃいでいた。

かわいーなー、なんて他人行儀な態度をとっていたのだが。



耳元で小さい声で話し出した彼女に愕然とした。



「カイ、名前に告白してきたでしょ!?」



は、この子はなんて、



「その顔はビンゴだね!やっぱ言ったんだ〜!カイやるぅ〜」



口笛でも吹きそうなくらい明るい秋穂の声とは反して、わたしの心には黒い雲がかかる。



『な、んで秋穂は知って、』


「だって言えっていったの、わたしなのだ!」



足元から崩れていく、とはこういう状況を言うのだとはじめて知った。



『わ、たし、具合悪い、から、早退するね』



生憎まだクラスメイトたちは半分も登校してきてはいない。

遅刻ギリギリにいつもくる八潮くんもまだいない。



もしかしたら、もしかしたらを考えていた自分に腹がたった。

会わせる、顔なんてない。




羞恥で体が燃えるように暑い


(あぁ、やっぱり)
(勘違い、だったんだなぁ…)





………

130129



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ