だいいち
□火
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次の日、自分で自分を呪いたくなった
衝撃の火曜日
「ね、ね、名前!」
『おはよう、秋穂』
「おっはよう名前!…じゃなくて、昨日!!」
朝、教室に入るやいなや、秋穂がテンション高めにはしゃいでいた。
かわいーなー、なんて他人行儀な態度をとっていたのだが。
耳元で小さい声で話し出した彼女に愕然とした。
「カイ、名前に告白してきたでしょ!?」
は、この子はなんて、
「その顔はビンゴだね!やっぱ言ったんだ〜!カイやるぅ〜」
口笛でも吹きそうなくらい明るい秋穂の声とは反して、わたしの心には黒い雲がかかる。
『な、んで秋穂は知って、』
「だって言えっていったの、わたしなのだ!」
足元から崩れていく、とはこういう状況を言うのだとはじめて知った。
『わ、たし、具合悪い、から、早退するね』
生憎まだクラスメイトたちは半分も登校してきてはいない。
遅刻ギリギリにいつもくる八潮くんもまだいない。
もしかしたら、もしかしたらを考えていた自分に腹がたった。
会わせる、顔なんてない。
羞恥で体が燃えるように暑い
(あぁ、やっぱり)
(勘違い、だったんだなぁ…)
………
130129