drrr 小
□背中合わせ
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ドタ+臨で臨→静です。
ドタチン視点です。
blogより転載
「ドタチンの背中って気持ちいいね」
他に人がいない放課後の屋上。
本を読み耽る俺の背中に、奴は背中を寄せてきた。
「何だいきなり」
「いやーこうしておっ掛かってみると、体格の良さが判るもんだなって」
「その前にいい加減、背中に寄り掛かる癖やめろよ」
「ええー何で?俺はドタチンの背中が安心できるから好きだよ」
「俺はお前が細いし軽いから心配になるぞ。ちゃんと食ってるのか?」
「きゃードタチンお母さんみたい!」
「帰る」
「ごめんごめん。立つのは無しで!俺、今立ち上がられるとマジで辛かったり」
「……お前、また静雄と喧嘩したのか?」
「違うよー。シズちゃんがイライラしてたから、ストレス発散できるようにちょっかいかけてあげただけだよ」
「静雄に心底同情するぞ」
「ドタチンひっどーい!こっちは散々追い掛けられた挙げ句、硬いコンクリに投げられたんだよ!んもう背中痛くってさ。アバラ折れてたらどーしよ!」
「岸谷のとこ行け」
「ドタチン優しくなーい」
「知るか。というか背中怪我してるなら、わざわざ負担かけるような事するな」
「背中合わせがいいんだよ」
「お前な……」
「ドタチンの背中って、広いしあったかいし、しっかり筋肉ついてるから頼りがいあるー」
「そうか?」
「うん。ホント、シズちゃんとは大違い」
「…………」
「シズちゃんは優しくないし、頼りがいもないもん」
「…………」
「きっとさ、シズちゃんの背中は気持ち良くないよね。背は高いけど細いし。肩甲骨とか浮き出て痛いよ、きっと」
「……そうか」
「うん。触った事ないから知らないけど」
「まっシズちゃんの背中なんか、頼まれたっておっ掛かりたくないね!」
「臨也」
「ん?」
「もう少ししたら、岸谷のとこに連れてくからな」
「……ドタチン優しすぎ」
「そうか?」
「うん、だから大好きなんだけど」
「だからさ……もうちょっとこのままでいてね」
背中越しに伝わる体温は冷たくて。
その背中は細くて軽く。
そして淋しげで。
けれど背を向く表情を、窺い知る事は出来ない。
傷ついた背中を知るのは自分だけ。
けれどこの背中が欲しているのは。
その眼が見詰めているのは。
(馬鹿だよな。お前も……俺も)
子供じみた優越感と嫉妬。
すべての感情を綯い交ぜにして、それでも想う。
願わくば、この傷だらけの背中が不器用な背中と触れ合う日が来る事を。
それまでは、それまでは――――
もう少しだけ、この背中を支えさせてくれ。
END
散々シズちゃんの背中に難癖つけといて、ほんとはその背中に寄っかかりたい臨也
臨也はシズちゃんと喧嘩した後、時々ドタチンに甘えに行ってたらいい。ドタチンはドタチンで、臨也が自分のとこに来た理由を知ってて、ちょっとモダモダしてたら俺得です!でもドタチンはお父さんなので、ちゃんと娘の幸せを祈ってます!!
2010/11/05