drrr 小

□drrr次回予告集
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RPGパロ予告です。




昔から自分の化け物じみた力が嫌いだった。
俺の力は、あまりに人間離れしていて。
『暴力』でしかなくて。

結局は大事な人間さえも傷つけた。

だから、だから俺は――――








『勇者がこちらに寝返ったというのは、本当か?』



それは歪んだ物語。



「彼はこちら側……モンスター側が相応しい」



人間とモンスターが対立する世界。



「一緒に、モンスターと人間が仲良く暮らせる世界を創ろう」



ありえない理想を抱きながら。



「君は想像できる?人間に生まれ落ちたくせに、人間を裏切ろうっていう愚かな選択。その気持ちを」



――勇者は人間を裏切った。







「……知ってる?魔王がモンスターを嫌ってるのは、人間に肩入れしてるからって噂」



モンスターを忌み嫌う魔王。



「ただ、あまりに敵が多すぎて城の中でも孤立している、そんな寂しい存在さ」



魔王は孤独だった。



「そして今、城にはもう一人孤独な存在。勇者がいる」



勇者も孤独だった。



「俺はね、人間が好きで好きで堪らないのさ!」



――魔王は人間を愛した。













「人間好きの魔王と、闇に堕ちた勇者」




「二人が出逢ったら、どうなるのか興味ない?」









ふわりと眼の前を横切ったのは黒い影。
闇夜を切り取ったような漆黒で、裾がゆらゆらとたなびいていた。
裾、そうそれは黒い衣なのだと理解したのは一瞬後。
そんな理解が追いつかなくなるほど、視界は黒で埋め尽くされた。


この男は敵だと。
天敵、宿敵、そんなどうしようもないまでに敵なのだと認識する。


けれど体が動かない。
警戒音が鳴りっぱなしなのに、眼の前の男から眼が離せない。
本能さえ忘れてしまうほどに、ひたすら男を見つめていた。

ただ、純粋に、見とれていた。





「俺は君が



    好きだよ」







孤独の魔王は闇に堕ちた勇者と出逢う――――




けれど、その出逢いは決して祝福されない。







「俺が君を好きな筈ないだろう?」




「だって君は――で」




    「俺は――だから」





けして……





――これは歪んだゲーム――




貴方は魔王を退治できますか?





 発売日:近日公開予定
  価格:生暖かい目
ジャンル:異種身分違いの恋
 
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