たらこ少女

□ボカロ『エイプリールフール』
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『エイプリールフール』

「あ〜メモリーねぇwなんか消すかぁwww」

ブラウザ越しに聞こえるご主人様の声。
それはいつもの明るく優しい声ではなかった。
どこかがっかりしたような、
少し苛立っている声。

「くっそ。重すぎる」

ご主人様はいそいそと
私たちの周りにあるデータも消していった。

「全然軽くなんねーしっ」

と一気に色々なデータを消していく。
私たちはいつもと違うご主人様が怖かった。
画像データから動画までどんどんと
ゴミ箱へ消えていく。

「あっボカロ消すか」

私たちはハッとした。
いつ言われるかビクビクしていた。
少し心のどこかで
ご主人様―いつもの優しいご主人様が
消さないと思っていた。
しかしカーソルは恐ろしいほど早く動き、
私たちを掴んだ。
つい私たちは叫んだ。

やめてっ
私たちを消さないでっ
ご主人様っ
なんでっ
いやぁっ

聞こえないのに叫んだ。
それは消されるのが怖くてではない。
この別人のご主人様が怖かったのだ。
”いやっ元のご主人様に戻ってっ”と

気が付けばそこはいつもの
マイコンピューターではなく
狭くて暗いゴミ箱だった。
さっきまで一緒にマイコンにいた
画像たちもここで暗くなっていた。
そしていきなりパッと目の前が
暗くなって意識が消えた。
とても変な感覚だった。
それは瞬きのように一瞬で
すべて消えてしまった。

「ごしゅ・・・じんさまぁ・・・・」

「どうした?」

私は驚いて目を開いた。
そこにはいつもいたマイコンの感覚。
そして優しげなご主人様。

「ふぁ・・・ごしゅじんしゃまぁっ」
「ちょっ泣かないでっどうしたんだ」

私はつい声を上げて泣いてしまった。
ひゃっくりも出てきて
しゃべれなくなってきた。

「あぁもうっ泣くな泣くな」

優しいご主人様になおさら涙が出てくる。
しばらくその優しさに
すがりつくようにしていた。
そのうち落ち着いてきて、
少し恥ずかしくなってきた。
するとご主人様は明るく、

「あっあれかw今日は4月1日。
  エイプリールフールだもんなw」
「あははwそーですよぉ〜w
  嘘ですっご主人様騙されたぁ〜w」

私も明るくなるようにしゃべり始めた。
このことが本当に夢にするために

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【アトガキ】
夢オチナイスっww
そんでエイプリールフールなのか
エープリールフールなのか
わかんなかったぁぁwww

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