螺旋の聖譚曲

□第七楽章 『堕ちる小鳥は闇と消え』
2ページ/6ページ


「♪我々のエデンから脱出した方舟は

憐れなる悪魔に導かれて

不平等で憐れみのない箱庭にたどり着いたのち


我々が手にしたのは「音楽」という力。

最初の時、アダムは何といったのか

「永久に愛を誓う」
―――それは誠ではなかった。

飢える程満ちる死の安楽に
赦されない罪抱えていた私に

神の力を与えたまえ

いま解き放て―――


我々のエデンから脱出した方舟は

無情なる天使に導かれて

平等で安楽のない箱庭にたどり着いたのち


我々が手にしたのは「音楽」という力。

最後の時、イヴは何といったのか

「神よ私をお許し下さい」
―――それは届く事はなかった。

満ちる程飢える生の断罪に
赦されない声もたらされた私に
統べる力を与えたまえ

いま受け入れよう―――。」


赤い鳥は歌い続ける
世界を壊すこの歌を。

赤い鳥は舞い続ける
神の劇場の悲劇の中で。

もう少しで完成という間際。


ルージュの心臓は再び不規則な鼓動を波打った。

「……!!」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ