螺旋の聖譚曲
□第六楽章 『獏の予言と発覚』
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「ね、ね、それでルージュって可愛いの?」
「うん!
喋れないけど、その分凄く優しく撫でてくれて私、ルージュお姉ちゃん大好きよ!」
団員である同い年の少女にルシアはそう自慢する。
それに、とロッドは付け足した。
「それに喋れなくても僕達ルージュお姉ちゃんの言うことわかるもんな!」
「ルージュは表情に出やすいですから」
ヴォルフの言葉にうんうんとアンナは頷いた。
「そっかぁ!会いたいなぁ!」
同じ馬車にいる団員は口を揃えて団長の妹を一目みたいと言った。
「力の暴走ね〜。ルージュに何教えたんだっけ?」
「フルートですよ」
フランベルジュは、ははぁと納得して笑った
「そりゃあ分野が違うもんなぁ!」
「といいますと?」
珍しく興味を持ったらしいヴォルフにフランベルジュは言った。
「フルートはさ、俺が元々教えてたんだよ。
ほら、俺、音楽士は音楽士でも、『天才』だからさぁ!チェロもフルートもできるわけよ!」
「で?なぜ分野が違うと?」
フランベルジュの天才発言を無視するとヴォルフは促した。
むっとするも気を取り直して彼は答えた。