螺旋の聖譚曲
□第六楽章 『獏の予言と発覚』
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第六楽章 『予言と発覚』
フランベルジュの率いる『雫の夜明け』で一週間、時には裏方、時には表舞台で働いたヴォルフ達に雫の夜明け団員は皆好意を抱き始めていた。
先日最後の公演が終わってから、フランベルジュの団員にヴォルフの目的に手を貸してほしいという言葉に拒否する事など考えられないほどだった。
「へぇ。その子もじゃあ音楽士なのか」
「ええ。よく暴走してましたが」
「そりゃ大変だっただろうなぁ。なぁマルージ?」
マルージと呼ばれたオカリナ使いのまだ幼い少年はむすっとして
「それじゃ僕がしょっちゅう失敗してるみたいじゃないか!」
「してるだろ〜?!」
ケタケタと明るく笑いながら5台の馬車は縦に並んでブレーメンへとまず向かっていた。
ここの団員は多くが音楽士の力を持っていた為に皆ブレーメンにあるセント・クィスームに興味を持ったのだ。