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□『佐相小説』
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「相馬、そういやお前誕生日いつだ?」
「何?藪から棒に。」
突然、休憩室から戻ってきた佐藤くんは俺の誕生日を訊いてきた。
「いや、知らねえなと思って」
何だか今まで気にもしなかった癖に、いきなり訊いてくるので少し期待してしまったが只気になっただけのようだ。つまらない。
「えー、教えないよー」
「はぁ?何でだよ。祝えねえじゃねぇか、お前の誕生日。」
「…へ?」
祝えない…って何!?いきなりデレ?え、君は轟さんにデレてれば良いんだよ佐藤く、いややっぱムカツくから止めて欲しい。
「どうした?顔、赤いぞ」
「ふぇ!?いや、いやいやいや何でもないよ!?」
佐藤くんがおでこを触ってきて、アァァァア!佐藤くんの手が俺の顔に…。絶対更に顔赤くなってる!
「俺も休憩貰うね!」
「おー…。」
大急ぎで休憩室に向かう。顔が赤くなってるので、手で隠しながら。
「ぁ、そだ。佐藤くん。俺の誕生日知りたいなら、俺の大事な人になってよ。じゃないと教えられないから!」
言い逃げだが仕方ない。少しは俺の気持ちを汲み取って欲しい。兎に角恥ずかしい。物凄い恥ずかしい。
まあ事実、俺の誕生日を知ってるのは家族と近藤さん位だ。だから、次は佐藤くんに知って貰いたいな。だって、俺は佐藤くんの事好きだし。佐藤くんは轟さんが好きだけど、大事なっていうのは何も恋人関係じゃなくても親友でもいいから。
逃げてきた俺は、佐藤くんが顔を真っ赤にして照れていたのを知らない。
そして、佐藤くんが俺と恋人になるまであと…、一時間。誕生日を教えるまであと…。

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