Get

□『相妃小説3』
1ページ/1ページ


「斉藤くん、どうしよう。近藤さんが可愛い」
悩ましげに隣で呟いたのは、漸く近藤と付き合い始めた相馬。中学時代からの付き合いで高校は離れたが今もある程度の付き合いが続いている。
「良かったねー」
「棒読み!」
「どうでもいいからな」
「ひどい!」
そう言い、明らかな嘘泣きを始める相馬を無視して携帯を弄る。一通だけ送られてきていたのは近藤からで、今佐藤と相馬談議が熱中し始めたらしい。
「無視とか、心が痛い。胸も痛い」
「そーかよ。あ、そーいやこれいる?」
そう言って取り出した携帯に映し出されているのは、最近村主に渡された近藤の写真。それをみた瞬間俺の携帯を奪い取り、赤外線で自分の携帯に送っている姿を見て、つい口から笑いが零れた。
相馬のこんな姿が見られるなら、たまに写真をやってもいいかもしれない。
自分でも分かるくらいに頬が緩んでいくのが自分でもわかり、バレないように口元を手で覆った。

===
妃は、佐藤とバイト中の相馬の話をしていた。
「で、伊波にぶたれてとうとう喋らなくなった」
「相馬が!?」
「あの相馬が」
「なんだそのレアな相馬。」
見たそうな顔をした妃は、佐藤とほぼ同時に煙草の煙を空に吐き出した。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ