家事とけんかは家族業 外伝
□末っ子はシンデレラ3
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その後 放課後の練習はセリフあわせだけ 演技はなく
真実はドレスを着ることもなく 平和に終わった
その後の帰り道
晴れ渡った空とは裏腹に
真実はひとり憂鬱な心もちで歩いていた
なんでわたし シンデレラなんてやってんのかなぁ・・・
そんな思いがぐるぐると頭をまわる
なんとかシンデレラ役を降りることはできないかと真剣に考えるが
その考えは頭の中ではかなく散っていく
そして 校門にさしかかったときだった
「・・・あれ?」
真実はピタリと止まる
なんだろう?
すすり泣くような音が・・・
あたりを見渡すと
校門の脇に植えてある大木の後ろで 陰が動いた気がした
真実はゆっくりとその大木のほうへ近づいていく
なんと
ひとりの少女がしゃがみこんで泣いているではないか