よみもの(単発)

□スモーキング イン ザ サン
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「ねえ、今日はもうやめたら?体に悪いよ。」
「あぁん?」

煙草の煙を燻らせていたデスマスクは、何言ってんだこいつ?と言わんばかりの顔で瞬を睨み付けた。

ここはとある公園のベンチである。外出中瞬がたまたま公園を通り掛かると、デスマスクが公園のベンチ一人煙草をふかしていた。「何してるの?お散歩?」隣に座って勝手に話し掛けるが、彼はちらりと視線を瞬に向けただけで、全く相手にしてくれない。仕方なくしばらく隣でボーッとしていたわけだが、デスマスクが先程から3本目の煙草に手を出したのをきっかけに、冒頭の台詞になったと言う訳である。

「俺が何本タバコ吸おうがてめぇには関係ないだろ。」
「あるよ、煙たいもん。」
「ならどっかに行けばいいばいいじゃねぇか」

デスマスクはしかめっ面で横を見る。瞬は頬を膨らませ、むやみに足をバタバタさせている。

「煙草って美味しいの?僕はちっともわかんない。な」


何だ?もしかしてこいつ相手にして貰えないんで拗ねてんのか?

デスマスクはニヤリとすると、肺に目一杯煙を吸い込んだ。


「うわっ!」
突然顔に吹き掛けられた大量の煙に、瞬は堪らずごほごほと咳込む。涙目の瞬を残し、デスマスクはベンチから立ち上がる。

「お前の相手は、この味が解るようになったらたっぷりしてやるよ。」

じゃあな。
別れ際に、瞬の鼻先に小鳥のような軽い口付けを送ると、その場を後にする。



「後2、3年ってとこだな」
突然のキスに硬直してしまった、先程の瞬の顔を思い出す。公園を大股で通り抜けながら、デスマスクは未来の恋人に呼び掛けた。


はやくおいついておいで!


    −END−
 

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