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□僕の可愛い貴方
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季節は秋




すこし肌寒い朝俺はいつものように起き




顔を洗いジャージに着替えた




ピンポーン




タイミングよく『あの人』が来る




俺は急いで玄関まで行った




「はよ、長太郎」




「おはようございます!宍戸さん」




『あの人』とは宍戸亮のことだ




俺の憧れの先輩であり愛しい人でもある




そして俺は鳳長太郎




宍戸さんは引退してしまったが




体がなまるのが嫌らしく俺と毎朝走るのだ




「いこうぜ、長太郎」




「はい!」































―宍戸さん・・・・・今日も可愛いな




俺は宍戸さんのことをテニスをしている時以外『カッコイイ』




とは思わない逆に『可愛い』と思ってしまう




だって俺と身長が一回りくらい小さいから




「・・・おい、ない俺の事ジロジロ見てるんだ?」




「え・・・?」




「ちゃんと前見て走らないとぶつかるぞ!」




ゴン!!!!




「痛〜〜〜〜〜〜」




「遅かったか・・・・・」




俺は電柱に頭をぶつけてしまった




「ほら、大丈夫か?」




スっと俺に出された宍戸さんのきれいな手




「あ・・・ありがとうございます」




俺は少しうつむきながら宍戸さんの手にそっと俺の手を重ねた




「ああ」




宍戸さんに少し引っ張られながら立つ









ちゃんと立つ前に足元の石に足を取られてしまい転んでしまった




「わ!」




「おわ!?」




手をつないでいたため宍戸さんも一緒に転んでしまった







バッシャーン!!!







しかも運悪く川の中に落っこちてしまった




「ぶは!冷てぇ!!」




「冷た!!」




「何しやがる長太郎!」




「す・・すみません」




今は秋だ夏だったらまだしもさすがに寒い




「たく・・・・・・痛っ!!」




「宍戸さん!?」




宍戸さんが起き上がろうとしたら




足首押さえまたしゃがんでしまった




俺は急いで宍戸さんに近寄る




「大丈夫ですか!!??」




「あ・・ああ」




俺はそっと宍戸さんの足首を見る




―わ・・・・きれいな足だな




―・・ってそうじゃなくて!!!




俺は気持ちを切り替えて再度宍戸さんの足首を見る




「あ・・・・すごく腫れてますね」




「っち・・・捻っちまったか・・・・」




宍戸さんの足首はとても腫れており




とても歩ける状態じゃない




「・・・・・・宍戸先輩、ちょっとすみません」




「は?」




俺は宍戸さんをヒョイッと姫ダッコで持ち上げた




「な!?お・・・おろせ!長太郎!!」




「だめですよ、そんな足じゃ歩けないでしょう」




「ぐ・・・・」




「そもそも俺のせいなんですからコレくらいはさせてください」




「・・・・・しょうがねぇ」




―宍戸さんのことダッコできるなんてラッキーだなぁ




俺はそっと宍戸さんの顔を見た




―わ!宍戸さん・・・顔真っ赤だ・・・




―可愛い・・・・・・・




宍戸は顔を真っ赤にさせていた




「長太郎」




「は、はい」




「ちょっとあそこで休もうぜ」




「あ、はい」




あそことは公園のベンチ




俺はベンチにゆっくりと宍戸さんをおろした




「足、大丈夫ですか?」




「ああ、大丈夫だ」




「俺、飲み物買ってきますね」




「ん」




少し小走りで自動販売機のところえ行く




そして飲み物を買って宍戸さんのもとに




「宍戸さ〜ん、買ってきましたよ」




「おう」




「はい、どう・・・ぞ!?」




「?・・・どうした?長太郎」




宍戸さんは髪からはポタポタとしずくが落ち




服から宍戸さんのキレイな体が透けて見えていた




―ど・・・どうしよう!!!何か俺、襲っちゃいそう・・・・




―ってダメだ!なに考えてるんだ俺!!!!!




「ちょ・・長太郎?どうした?」




「あ、い・・いえ!」




ボト・・・っと自分の飲み物を落としてしまった




「あ」




「おいおい、ないやってんだ」




宍戸さんが俺の飲み物を取ってくれようとしている




「あ、大丈夫ですか?宍戸さん」




「痛っ!!!」




宍戸さんが俺のほうに倒れこんできた




「!!!???」




「悪ぃ・・・・・ちょうたろ・・ん!!!??」




俺は我慢できなくなり宍戸さんの唇を奪ってしまった










「な・・・何しやがる!長太郎!!」




「宍戸さんがいけないんですよ!!」




「はあ!?」




「そんな格好してるから・・・・・」




「は?あ・・・・・・・」




宍戸さんは自分も服を見て『そんな格好』の意味が分かったらしい




「・・・・宍戸さん、俺宍戸さんのことが好きです・・・・・」




「長太郎・・・・・・」




「・・・すいませんでした」




「っふ・・・・・激ダサだぜ!」




「え?」




「俺がお前のことを嫌いになると思ってんのか?つーかその逆だぜ」




「え・・・ってことは・・・・」




「ああ、俺も好きだぜ」

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