硝子と空の相対幻想が織り成す世界を

□ Legge di quest mondo
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La terza canzone Legge di quest mondo −この世界の掟−




「早く早く!シグ走るの遅い!」

「ごめん…でもチェシャが速いんじゃないかな…」

チェシャに手を引っ張られ半分転びそうになりながら走る



知っていても知らなくても
其れは聞きたくも無い掟



シェゾは「やれやれ…」という顔をしてついて来ている

周りを見てみるとまるで動いていないかのように景色が変わらない
建物の感じも木の位置も

「も…無理…チェシャ…ちょっと休もう?」

「早くしないと始まっちゃうの!」

チェシャは足を止めてくれそうにない

へとへとになりながらやっとチェシャは足を止めた

「着いたよ!ってあれ?」

「もう少し…ゆっくりでも…良かったんじゃ…ないかな…?」

「お前体力ないな」

「悪かったね!」

顔を上げるとそこには何人か集まっていた

「ここ…?」

「そうだよ」

「へぇ…」

いろいろな人がいる
いいのかな…僕がいて

「こんにちは!シェゾ!って見かけない顔がいるね」

「あぁこいつか?外の世界からやってきたらしいぜ」

「初めまして。シグといいます」

「シグ…くん?…ちゃん?」

「…」

「チェシャ知ってる!この子きっと女の子だよ!」

「そうなの?じゃぁ「ちゃん」だね」

容姿が女の子みたいだといわれるのは良くある。でも偏見と独断で決められてしまうとは初めてだった

うーん…間違いを正すべきかな…

「あの…」

「あ、ごめんシグちゃん!名乗るの忘れちゃったね!僕の名前はレムレス。シェゾは闇の魔導士だけど僕は彗星の魔導士だよ」

もう訂正はきかないらしい

しょうがないからそのままで…ってぜんぜん良くないけど

「シグちゃんは異世界から来たんだよね?だったらこの話では駄目だよ」

「え?掟のお話じゃないの?」

「違うよチェシャ。毎回そんなお話してたら人来ないよ」

「じゃぁどうしよう…ごめんシグ。走らせちゃって」

「うんうん…いいよ別に」

チェシャの早とちりだったんだ…
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