アカイトリ

□アカイトリ
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わたしは朱い鳥。

数千年を生きて、
長い間を、空を我が物として悠然と、超然として羽ばたいていた。


わたしたちの声は、魅了の声。

わたしたちの姿は、秀麗にして神から与えられた、朱く朱い姿。


故に、人間どもから鑑賞目的で狩られ、同朋の数は激減した。


憎い

人間が、憎い。


わたしは独りになってしまって、

わたしは同朋の姿を捜して放浪し続けているのだ。


人間どもがなぜわたしたちを狩ろうとするのか、もうひとつ理由がある。



わたしたちが


夜になると



人間の姿に変化するからだ。



神から愛され、そして呪われた我が朱い一族・・・

理由は今は話したくはない。

けれど

わたしが今こんなにも必死に人間どもの手から逃げているのは



神よ、お前のせいだ。



――わたしは弓矢で傷ついた右羽をひきずりながら逃げ続けた。



闇夜が深い。

たった数時間でも人間の姿になるなど、耐えられない・・・!


あの悪辣な人間どもに捕らえられてしまえば、どこかに居るかもしれない仲間に会えなくなるのだ。


動け



動け・・・!



「なんだこの鳥は・・・」



ふいに左の林から松明の明かりを燈され、わたしは警戒もあらわに、男に向かって真っ赤な羽を大きく広げた。


顔がよく見えない。


しばらく睨み合っていると、身体が淡く発光し始めた。


いけない・・・!


わたしは、もう終わりだ・・・


ああ、同朋よ・・・


逃げろ


生きてもなお見世物になる位なら



自ら命を絶ってやる・・・!



――鳥から人に変化したわたしを見て男が絶句している。


その隙に、男に走り寄り、腰から下げた太刀を鞘から抜いて首筋にあてた。


「おい、よせ!」


お前などには捕まらない。



誇り高く、気高いままで死んでやる−−
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